インド発祥の寓話で「6人の盲人と象」があります。
「6人の盲人と象」という寓話は、数人の盲人が象の一部だけを触って感想を語り合うというお話で、わたしたちは視野を広く持つことの大切さを学ぶことができます。
今回は視野を広く持つことの大切さについて寓話を通じてご紹介します。
6人の盲人と象の物語
ある日、6人の盲人が象を触ってその正体を突きとめようとした。
一人目は象の鼻に触り、「象とは蛇のようなものだ」と言った。
二人目は象の耳に触り、「象とはうちわのようなものだ」と言った。
三人目は象の足に触り、「象とは木の幹のようなものだ」と言った。
四人目は象の胴体に触り、「象とは壁のようなものだ」と言った。
五人目は象のしっぽに触り「象とはロープのようなものだ」と言った。
六人目は象の牙に触り、「象とは槍のようなものだ」と言った。
それから六人の盲人たちは長いこと大声で言い争い、それぞれが自分の意見を譲らなかった。
このお話から学べること
この話には6人の盲人が登場してきましたが、彼らは、それぞれゾウの鼻、耳、足、胴体、しっぽ、牙の一部分だけを触ってその感想を述べています。
その結果、触った部位によって感想が異なるため、各人の主張も異なり、それぞれが主張して対立を起こします。
しかし、彼らの主張はどれも間違ってはいないということがこの話の見るべきポイントでもあり、正しい主張をしていることも間違ってはいません。
この寓話を通じて学べることは、「木を見て森を見ず」ということです。
わたしたちは、出来事やひとの一部を切り抜いて理解したつもりで言動や行動として表現してしまうこともあります。
これを心理学では確証バイアスと言います。
一部を切り抜いて主張するのではなく、相手の考えや意見に耳を傾ける大切さを教えてくれます。
人は顔や性格が違うように考え方や価値観も様々です。
自分と同じ考えや価値観を持った人は存在しないと言っても過言でもありません。
相手の話に耳を傾けることは、相手を認める行為でもあります。
自分の持っていない考え方について気づかせてくれるのも相手です。
「木を見て森を見ず」ではなく「まずは森を見て木を見る」ことを取り入れていきましょう。