ネガティブ感情を鎮静化させるにはライティングが効果的です。
ライティングとは「書くこと」です。
今回は、「ライティングはネガティブ感情を鎮静化させる役割がある」についてご紹介します。
ライティングの研究①
ライティング研究の第一人者であるジェームズ・ペネベーカー博士の研究をご紹介します。
ペネベーカー博士の研究で集められた約50人の学生たちを博士は、2つのグループに分けて紙の束を渡して次のように指示しました。
学生グループ①
「絶対に秘密にするので、人生で悲惨であった、辛かった経験についてそのときの反応や感情などを詳しく表現してほしい、これを1日15分ずつ4日間書くようにしてほしい。」
学生グループ②
「絶対に秘密にするので、当たり障りのない出来事や話題、毎日の日課等をそのときの反応や感情などを詳しく表現してほしい、これを1日15分ずつ4日間書くようにしてほしい。」
この研究では、トラウマになる経験について書き記すことによって健康や幸せにどのような影響があるかについて調査するためにおこなわれました。
結果は、自分の反応や感情などを詳しく表現して書いた学生グループ①は、病院に行く回数が減り、免疫システムも向上しました。
なんと当たり障りのない出来事や話題、毎日の日課等をそのときの反応や感情などを詳しく書いた学生グループ②よりも43%医者にかかる回数が減りました。
また、落ち込むことや苦悩も減り、学業や就職率も向上しました。
ライティングの研究②
こちらもジェームズ・ペネベーカー博士の研究です。
博士に集められた被験者たちは2つのグループに分けられ、博士は次のように指示しました。
グループ①
「まず、実験室で人生で最も悲惨だった、辛かった経験を日記に15分から30分書くよう作業してほしい。自宅に帰った後も3~5日同じ作業をおこなってほしい。」
グループ②
「まず、実験室で当たり障りのない話題を日記に15分から30分書くよう作業してほしい。自宅に帰った後も3~5日同じ作業をおこなってほしい。」
この研究では、書き続けることによってストレスにどのような影響を与えるかについて調査するためにおこなわれました。
結果は、人生で最も悲惨だった、辛かった経験を書くように指示されたグループ①は以前よりも病院に行く回数が減り、免疫システムが向上しました。
また学業成績も上がり、その後の就職率も高い結果ができました。
ライティングの研究から分かること
2つの研究から書くというプロセスは、うつ病予防やストレス軽減効果に大きく寄与することが明らかにされています。
文字化することで外に出してクールダウンすることができるので、不安に思っていることや散々だったことなどネガティブな内容を書くとネガティブ感情の鎮静化の即効性が期待できます。
ペネベーカー博士は書く時間は15分が良いと定義づけています。
書くという行為は、外側から自分の考えを記録するので、内側に背負っていた荷物を降ろすことができますし、思考を組み立て原因追究、解決策も考えることもできます。